乳酸菌で内側からキレイに

乳酸菌の定義

乳酸菌といえば腸内環境を整えてくれる善玉菌として有名ですが、実は腸内に住む善玉菌の中で乳酸菌が占める割合はわずか0.1%以下です。
乳酸菌と呼ばれる菌はひとつの菌を指すのではなく、一定の条件を満たした菌の総称となっています。
現在、その種類は250種類以上とも言われていますが、まだ発見されていない菌もありその種類は未知数です。

●乳酸菌とは?

糖質(ブドウ糖、オリゴ糖、乳糖)を分解して乳酸を生成し、人の体にとって良い影響のある細菌をすべて乳酸菌と呼んでいます。

  1. ラクトコッカス
  2. エンテロコッカス
  3. ペディオコッカス
  4. リューコノストック
  5. ラクトバチルス
  6. ビフィドパクテリウム

という6属に分類され、250種以上が発見されています。
自然界に広く生息し、人や動物の腸内のほか、チーズやヨーグルト、漬け物やキムチなどの発酵食品などにも含まれています。
動物に由来する菌を動物性乳酸菌、植物に由来する菌を植物性乳酸菌と呼んでいますが、生息する場所の違いだけで乳酸菌自体にはなんら変わりはありません。
人の腸内に生息している乳酸菌は、腸管系乳酸菌と呼ばれ、悪玉菌を抑制し善玉菌を増やすことで、腸の働きを活発にし、消化吸収を促進したり、アレルギーを抑制したり、病気を予防する働きがあります。

●乳酸菌の7つの定義

乳酸を生成する細菌は乳酸菌以外にも存在していますが、乳酸菌となるには7つの条件を満たす必要があります。

(1)形状

菌の形状が桿菌(かんきん)か球菌であることが条件です。
桿菌は棒状、球菌は球体の細胞形態をしています。

(2)グラム染色体が陽性

グラムという方が考案した方法で、細胞壁がある菌は陽性に、ない菌は陰性になります。
乳酸菌は細胞壁がある陽性になることが条件です。
一般的にはグラム陰性の細菌は病原性が高く、陽性の細菌は危険ではないので、乳酸菌は安全な細菌と言えます。

(3)カタラーゼが陰性

カタラーゼという酵素は、酸素が必要な細菌に存在します。
カタラーゼが陰性である細菌は、酸素がなくても生きていける細菌ということになりますが、陰性の中でも酸素があると生育できない細菌(絶対嫌気性菌)と酸素があっても生育できる細菌(通性嫌気性菌)があります。
乳酸菌はカタラーゼを持たない陰性の細菌ですが、酸素が存在していても生きていける通性嫌気性菌になります。
酸素があってもなくても生きていけるということになります。

(4)乳酸の生成量

乳酸菌には、糖からほぼ100%の乳酸が生成されるホモ発酵と、乳酸とエタノールと二酸化酸素を生成するヘテロ発酵があります。
糖を分解した時に生成される乳酸が50%以上あることが条件となります。

(5)胞子の有無

細胞の内側に作られる胞子のことで、この胞子が形成されていないことが条件になります。
胞子のことを芽砲ともいいます。
乳酸菌が熱や酸に弱いのはこの胞子がないためです。

(6)運動性

べん毛によって能動的に動く細菌と動かない細菌がいますが、乳酸菌は動かないことが条件です。

(7)安全性

毒性のある物質を作り出さない菌であること。
安全で体に良い菌であることが条件です。

これらすべてを満たした細菌だけが乳酸菌と呼ばれます。

●ビフィズス菌は乳酸菌ではありません

腸内の善玉菌の99%を占めるビフィズス菌も乳酸菌の仲間と分類されることもありますが、厳密には上記の条件を満たしていないため乳酸菌と呼ぶことができません。
ビフィズス菌は乳酸だけでなく酢酸も生成するため乳酸の生成量は50%以下になります。
また、細胞形態がビフィズス菌は先端が二股に分かれたY字型をしていることからも乳酸菌の定義から外れてしまうのです。

一般的に善玉菌をすべてひっくるめて乳酸菌と呼んでいる人も多いようですが、これらの条件を満たして初めて乳酸菌と呼ぶことができます。
善玉菌の種類はおよそ500種類が確認されていますが、乳酸菌のほかにビフィズス菌、納豆菌、酵母菌、麹菌などが有名です。
それらの菌と分けるために乳酸菌の定義が必要となっているんですね。