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レンブラント 《青年期の自画像》
《 青年期の自画像 》  1629年頃 レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
Self-portrait at an early age. / c.1629
Rembrandt Harmenszoon van Rijn 1606-1669
小さな板に描かれた、若きレンブラントの壮大な実験。
Rijksmuseum, Amsterdam, Netherlands. 蔵 22.6cm×18.7cm )

 
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レンブラントの絵が分類されるバロック ( Baroque ) とは、
ポルトガル語のBarroco ( ゆがんだ真珠という意味 ) を語源にもつ 言葉です。
つまり完成された形である、ルネサンス以来の伝統的なスタイルを崩した、変わり者とでも捉えられていたのでしょうか。
当時としては革新的な描画だったのですね。

レンブラントも独自の画風を確立すべく、若い頃から亡くなる直前まで、新しいことへの挑戦を続けていました。
今週の壁紙の絵は、そんなレンブラントの挑戦が始まった最初期の、その名も 《 青年期の自画像 》 です。
レンブラントが20代の前半に描いた自画像ですね。

この絵は、去年 ( 2005年 ) の10月25日から今年1月15日まで、兵庫県立美術館で開かれていた
『 オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展 』 に、フェルメールの 《 恋文 》 や
同じくレンブラントの 《 修道士に扮する息子・ティトゥス 》 と共にやって来ていました。
縦22.6cm、横18.7cmと、とても小さな絵なのに、会場に入った途端の部屋に、
最初に真正面に見える位置に展示されていて、それがそれ自体から光を発しているような、とても大きな存在感を
誇示していたのを、あれから半年も経っているのに鮮やかに記憶していて、決して忘れられない絵です。

この絵は、小さな板に描かれています。
自画像ということで、これは明らかに注文によって描かれたものではありません。
レンブラントはこの時期、光と影の効果を我がものにすべく、いろいろな実験を繰り返していましたが、
この絵もそんな実験が手に取るように判る絵ですね。
肩口の後ろから差し込んだ光は、彼の右頬と鼻の頭を明るく照らし、
その代わりに目から反対側の頬にかけて、影になっています。
影になっている部分は鮮明には描かれておらず、ぼんやりとした表情を描き出していますが、
それを背景に拡散した光がクッキリとした輪郭を浮かび上がらせ、ぼんやりとクッキリの対照を鮮明にしています。
そうした鮮明さが、劇的にこの絵を、生き生きとした動きのある絵に仕上がらせていますね。

それと、この絵には驚くべきテクニックがハッキリと見て取れます。
光に照らされたレンブラントのクルクルとした強毛が、赤く輝いているのですね。
これは下地に赤い色を使って、上から乗せた絵の具が乾かないうちに、おそらく筆のお尻なのでしょう、
硬い部分で上に塗った絵の具をこそぎ取るように線を入れて、下地の赤を出して描き出しているのです。
それによって、下に塗られた絵の具を使って、乱れ舞って浮かんだ髪の毛に光が透過しているような効果を得る・・・
面白い実験ですね。
レンブラントはこの時期、故郷のライデンで友人の画家ヤン・リーフェンスと共同のアトリエを構えて
売り出しをかけていた最中にありましたが、そんなレンブラントの、この絵の 「 実験 」 にも見られるような
日々の研鑚と、彼が元来持っている天性の才能が効を奏したのでしょう、あるとき、総督フレデリック・ヘンドリックの
事務官であったコンスタンティン・ハイヘンスがこのアトリエを訪れ、彼らを絶賛するんですね。
ハイヘンスは二人を
「 まったくの転生の才能を競いうる比ぶる者なき画家たち 」
と賞賛し、またレンブラント作品については、

「 生き生きとした様子と、感情を表現する能力 」

を特に褒め称えたと伝えられています。
レンブラントはこの総督事務官と言う有力者の知己を得て、この後、力を蓄えてアムステルダムに勇躍するのです。
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